神戸市東灘区の公園に、昔活躍していた蒸気機関車と神戸市電が保存、展示さているのを見つけた、というか普通に敷地内に置かれているだけと言った方が正しい表現かもしれませんが。
神戸市電は1971年まで現役で走っていたそうなので、50~60歳以上の方には懐かしいのではないかと思います。また、若い世代で知らない人たちも神戸市を知る上ではポイントになる事なので豆知識をして知っておきたいものです。
そんな「小寄公園」に展示されている電車を撮影してきました。
電車が置かれている小寄公園とは
今回ご紹介する「小寄公園」は、広々としたグラウンドや滑り台などの遊具もあって体を動かすのに向いた開放感のある公園で地元の人が多く利用している場所。
しかし、この場所はなんと1969年まで運転免許試験場が場所だという事が調べでわかりました。その運転免許試験所が、その後に本山交通公園として整備され、運転の練習や子供向け・高齢者向けの交通安全教育などを行う場だった。
2009年のリニューアルを経て、 現在はランニングコースやグラウンドなどを完備し、「小寄公園」として地域の人に親しまれています。
元交通公園だったこともあり、公園内には今でも、交通ルールを楽しく学べる練習用の道路の他、蒸気機関車、古い電車も置いてあります。
小寄公園の場所
場所は、阪神本線「青木」駅から北方向へ徒歩5分、またはJR東海道本線「摂津本山」駅から南方向へ徒歩9分ほどの場所で「本山南町4丁目」にある公園です。
静かな住宅街の中にあって環境も良い場所だと思います。電車やバスなどの交通機関も近くにあり、スーパーマーケットも小学校も身近にるために親にも子供にも優しい地域といえるでしょう。
公園内の横断歩道があるのが分かる。公園内なので車が通ることはありませんが、これも運転免許試験場の名残の様です。
蒸気機関車
蒸気機関車は、第二次世界大戦中の昭和17年4月海南島(中国の南)向けに日本車輛製造株式会社で製造されましたが、製造後は八幡製鉄(今の新日本製鉄)株式会社を経て、昭和21年から石原産業株式会社四日市工場で、昭和42年10月まで使われていたそうな。
「S108」のプレートを付けた小さな蒸気機関車は、石炭も水も機関車本体に積み込む「タンク機関車」で、軸配置は動輪3つのC型。「機関車トーマス」的なスケール感ではないですが。
ここで平和な余生を過ごすはずだった。
しかし1995(平成7)年1月17日、阪神大震災に襲われます。市電のほうは軽かったためか無事でしたが、S108号は横倒しとなり、周囲が落ち着くまでそのままの状態でした。しかし幸運にも解体は免れ、元通り起こされて今も大切に保存されています。


神戸市電
「楠公前」の行き先表示。この電車に乗って湊川神社へ行けたんですね。
神戸市電(開通当時は神戸電気鉄道という私鉄)は1910年、春日野(現在の阪神春日野道駅付近)と兵庫駅の間に開通したのを皮切りに、最盛期には石屋川から須磨まで15系統の路線を走り、1971年まで営業していました。
小寄公園に保存されている1155号は、神戸市電で最後に建造された電車のうちの1両。言い方を変えると「神戸市電の最新型」ですね。建造は1956年。
ちなみにこの車両の弟にあたる1156号は、現在、広島市内を走っているそうです。
<路線網>
神戸市電には、市内のさまざまな地域を結ぶ複数の路線がありました。これには、市内中心部や港湾地域などが含まれていました。路線は時期によって変更され、延伸や短縮が行われることもありました。
<車両>
神戸市電では、様々な種類の車両が使用されていました。初期の蒸気機関車による運行から始まり、後には電気式の電車が主流となりました。車両のデザインや形態も時代とともに変化し、木製車両から鋼製車両への更新も行われました。
<廃止と保存>
神戸市電は1971年に廃止されましたが、一部の車両や関連施設は保存され、現在も運営されています。保存された車両は、神戸市交通科学館や神戸市交通局の施設で一般に公開され、市電の歴史を伝えています。


まとめ
地元の人は慣れている様で特に違和感なく電車の前を普通に横切っていますが、初めて見る者にとっては違和感ありありだと思います。
だって、神戸の歴史的にはそこそこ貴重に思える電車が公園内に置かれているのだから。それも特に屋根があるわけでもなく雨ざらし状態であるのだから、ちょっとショッキングで不思議な感じがしました。
神戸を訪れる際には行ってみては如何でしょうか。また、神戸に住んでいる人にもあまり知られていない?様な気がしますので、そんな人も是非見に行ってください!
<名 称>
小寄公園(旧本山交通公園)
<場 所>
神戸市東灘区本山南町4丁目4 小寄公園(旧本山交通公園)
<最寄り駅>
JR「摂津本山」駅&阪神「青木」駅より約5分